photobook
小豆島農村歌舞伎が国の重要無形民俗文化財に指定されました。
小豆島の皆様、本当にありがとうございました。
1999年、私は大いなる危機感に突き動かされ撮影を開始しました。
それは、阪神大震災(1995年)後のある種の後遺症であった可能性もあるのかと思われます。
そして今、小豆島農村歌舞伎の写真集が完成に近づくにつれ、不思議と再び平静な心が蘇ってまいりました。
この10年を思い起こせば、私は第一に小豆島の方々の、とくに子供たちの、あふれる躍動感や強い眼差しから
発せられる「生命力」に著しく感動し、拝むような気持ちでそのパワーを撮影させて戴いていた事を記憶して
おります。
同時に島外人の私を、何のわだかまりも無く優しく受け入れて下さった小豆島の方々の心の豊かさに感銘し、
私は出来る限りご迷惑をかけないよう心がけて撮影を続けました。
演出撮影は一切行っておりません。このように撮影を進めて行く内に、化粧をした役者の方々や舞台裏の風情に
何か既視感のようなものが感じられるようになりました。
300年前の江戸時代に存在した日本の原風景や町並みと、小豆島の農村歌舞伎の世界が重なり合い、
私も過去に、きっとこの世界に存在していたような不思議な感覚にひたっていました。
そして次第に、島全体に残る確かなコミュニティーの存在や、古来の芸能を守り受け継いで行く人々の心に
儒学の精神が存在している事を感じとって行きました。
小豆島には、我々日本人が失いつつある「真の和心」があるとの確信が得られ、
約10年間の撮影活動に取り組む事になりました。
中山や肥土山を代表とする小豆島農村歌舞伎が、日本にとってかけがえの無い貴重な財産である事を実感し、
この写真集を完成させる事で、一人でも多くの方に、大切な我が日本の「伝統と和の精神」をお伝えす出来れば幸いと考えております。
写真集を発刊するにあたり、私を芸術写真の世界に導いて下さった、故緒方しげを先生並びに柳原香先生に、
また医師会写真部の先生方や、ひょうたん写真クラブの先輩の先生方のご指導に深く謝辞を述べたいと思います。
また山中眼科のスタッフの方々や小西氏には助手として大いに撮影を助けて頂きました。
小豆島歯科医師会長の樋出誠先生からは数多くのご助言並びにご指導を戴きました。
そして肥土山の佐伯亜矢様からの温かいご助言ご指導、更には中山自治会の方々のご指導ご助言、そして肥土山歌舞伎の佐々木会長のご助言に感謝します。
忘れてならないのは中山歌舞伎の矢田元会長のご指導など数々の感謝を述べ伝えたいと言う思いでこれからも頑張って撮影出来ればと願っております。
山中 忍
